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2011年5月11日 (水)

ガンなのか結核なのか

 連休は、次男の4ヶ月の誕生日をみなで祝うため、千葉の実家に帰った。
 日常生活はなんの問題もないのだが、咳がつづいている。痰も出るようになった。熱はないので、ガンか結核の自覚症状が出てきたのではないかと不安になる。
 夜はひとり別の部屋で寝るようにしていたが、子どもたちも同じような咳をコンコンとし始めた。変な病気をうつしてなければよいが。特に、赤ん坊の次男が心配だ。

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 実家でとっている読売新聞で、「がん共生時代 こころ」という連載を読んだ。ガンという特殊な病気がもたらす心の病を見つめたものだ。自分もいつか、ガンがきっかけでうつ病になる日が来るのだろうか。
 その記事をネットで検索すると、読売新聞の医療関係の記事を有料で掲載しているヨミドクターというサイトを見つけ、そのなかにCT検診のうつしすぎる功罪についての記事があった。
 「CT検査による肺がん発見率は、X線検査の4、5倍に達する。その検出力の高さが逆に、不利益も生んでいる」という内容だ。「CT検診では、2~3割の人に何らかの異常が見つかるが、大半は、肺炎や結核が治った後の痕跡など良性の病変だ」という。僕の肺に見つかった影もそうではないだろうか・・・。
 だがもしガンではなく結核だとしたら、子どもたちにうつしてしまった可能性もあり、素直には喜べない。診断がつかないというのは、なんと悩ましいことなのか。
 翌5月7日は、10日ぶりに順天堂医院での診察日だ。ガン細胞の有無や転移を調べるPET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影)検査や、結核感染の有無を調べるQFT(QuantiFERON-TB2G:クオンティフェロン)検査の結果が出る。ガンの可能性が高いのか、それとも結核の可能性があるのかという診断に、一歩近づく。診察前日は、不安とかすかな期待で興奮した。

 5月7日、順天堂大学医学部附属・順天堂医院の呼吸器内科でH医師の診察を受ける。
 QFT検査は陽性で、結核の感染の疑いがあるとのことだった。だがこの検査では、いま結核に感染しているのか、過去に感染したのかはわからないという。肝心のPET検査の結果は、連休を挟んだためまだ出ていなかった。がっかりした。
 咳や痰がでて胸も少し痛むことを話すと、胸部のX線撮影を行い、結核菌を調べるための痰もとった。X線撮影の画像はすぐに出たが、結核を疑う病巣や、最初に見つかった影(腫瘤)の増大などは見られなかった。いま出ている咳は肺の影に由来するものではなく、気管支炎だろうとの診断だった。子どもたちに、よくわからない感染症をうつしてしまったという心配は消えた。
 H先生は、気管支炎を治すためということで抗生剤をだしてくれた。もし肺の影が(発症していない)感染症によるものならば、影が小さくなる可能性もあるという。2日後に予定しているCT検査までに効果が出るかわからないが、希望が持てる話だった。
 結核の話が続いたので、自分はもしかしたらガンではなく結核などの感染症ではないかと楽観的に考えるようになってきた。

 診察後、順天堂医院のなかで別の医師にお会いした。その方は、中学校の剣道部で1年上の先輩だったDさん。循環器内科の心臓疾患専門の准教授になられていた。Dさんが順天堂にいることを知ったのは、まったくの偶然だった。その1週間前に、中学校剣道部の同期のKが28年ぶりに連絡をくれたのだ。そのやりとりで判明した。なんとタイミングのいい出会いなのだろうか。
 そんなことを考えていると、もう1つの不思議な出会いを思いだした。今年の1月に、ラジオで俳優の菅原文太さんと対談する機会をいただいた。77歳の菅原さんは4年前に膀胱ガンを患い、入院治療の末に仕事に復帰した。お会いしたときはただ感激したが、いま思うとあの出会いは、何かを暗示していたのではないかと思う。
 Dさんは、昔の面影そのままだった。優しく温厚ななかにも芯のある雰囲気で、こんなお医者さんに診てもらったら安心できるだろうなと思った。僕の病気とその治療について真摯なアドバイスをくださった。
 「こんな仕事をしているとね、若くして死んでゆく患者さんを見ることが少なくないんだ。そんなとき、自分が生かされているということを強く自覚するよ。君もできるだけ早く治療した方がいい」
 僕も好きな登山で、多くの友人を亡くした経験がある。Dさんの言葉は重かった。

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コメント

ありがたく読ませていただいております。先日妹がCTで肺に影がみつかったということで、色々と調べていたら、ここにたどり着きました。本当にありがとうございます。

コメントをありがとうございます。

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